【ボッチャ】133-ロンドンパラリンピックに出場するまで〜③２００６年のブラジルの世界選手権大会〜

今日は２００６年のブラジル・リオデジャネイロでの世界選手権大会。
この年の１月のＪＡＰＡＮＣＵＰで初優勝して代表を勝ち取ったのです。

初優勝といっても自分の力で取った訳ではありませんでした。
（前回の記事：https://katou-keita.net/wp/blog/7886/）
なのに・・・自分で勝ち取ったと勘違い。世界選手権大会に行く前日まで
遊んでいて・・・発熱。アスリートの自覚０ですよね。選手とは言えません。
発熱して１日でなんとか下がり、次の日フライトへ。

リオデジャネイロまで家を出て４８時間。着いたと思ったらバスが来るまで
数時間待っていました。現地に着いてから再度発熱・・・。

この時、父が競技アシスタントで行っていました。
試合前に３９度の高熱を出してしまったのですが、ドーピング検査
があるので解熱剤や風邪薬を飲むことができません。

父は温灸のセットを持っていっていました。なんとか僕の熱を下げようと、父は
３０分おきに１０時間にもわたって下半身に温灸をかけてくれました。
それでようやく熱が下がって試合に出ることができました。

個人戦は予選リーグ２勝１敗でベスト３２に進出。当時の世界選手権大会は世界
ランキング関係なしで世界各国から参加していたので個人戦は６０名以上の選手が
いました。決勝トーナメントに出たものの１回戦で敗退。

だが、このトーナメントで確かなる手応えを掴んでいきました。前年のマレーシアの
雪辱は少し晴らせたかなぁと思いました。当時の世界選手権大会は個人戦とペア戦の
間に１日お休みがありました。

熱が下がって間もないのに、選手・コーチたちと街に
くり出し、気分転換に行きました。その夜、案の定、発熱。

父に「だから行くな！と言ったのに行くと言って利かない。
自己管理が甘いぞ！」とど叱られました。

ペア戦に間に合ったものの、出場機会はほとんどなかったです。
この時、本当に悔しくなって部屋で号泣した事を今でも覚えています。

自分自身の幼さと腹立たしさがこみあがり、
「僕は強くなる。日本代表の主軸になる！　キャプテンになりたい・・・」
という熱い思いがこの時から芽生えました。

果たして、私に「日本代表キャプテン・エース」になれる日が
来るのだろうかと自問自答していました。この時代の日本を牽
引していた選手たちは私にとって、今もなお大きな存在ですし
人生を変えてくださった先輩たちなのです。

試合以外でいろいろ経験ができるのも国際大会ならではです。
また気分を変えて、父とリオデジャネイロの街を探索しましたが、
忘れ難いエピソードがあります。

それは・・・
小さいお店で電動車椅子では入る事ができなく父が買い物していると、
突然７０代位のおばあちゃんが私の目の前に現れました。じーっと見つめられ、
おもむろにポケットからお金を電動車椅子の机に置いて行きました。

私を恵まれない子どもだと思ったのかな。
一瞬できごとで言葉も交わす事もできなかったです。

今日はここまで。
次回はＪＡＰＡＮＣＵＰ２連覇に臨むお話です。
お楽しみに☆